林道開発 (2022年10月以降)
2022年は前半に神奈川県庁に足繁く通い神奈川県の林業再生について、訴えたが聞き置かれたにどどまった。
更に、仲間のK氏から強力なバックアップがあり神奈川県黒岩知事に神奈川県の林業再生を訴えるお手紙を6回にわたり差し上げた。
しかしながらいずれも先に進まない状態であった。
2022年の後半になって、仁多見先生から紹介を受けて2018年7月に浜松町で一度お会いしたことがある林業家の森林再生システム(株)
Koさんと4年ぶりにネットでの日本林業再生について論じだした。論じたというより教えられたという感じであったがかなり頻繁に
やり取りした。この会話の中で一つはKoさんの西湘フォレスト(株)の現場を見学させてもらうこと、二つ目にKoさんが林道づくりで
苦労していてKoさんから日本製鉄のスラグの紹介を頼まれ、私が仲介して、日鉄スラグ製品(株)君津のKaさんを紹介した。
そして鉄鋼スラグを使いた林道開発についてのZOOM打合せをKoさん、Kaさん、日鉄君津のAさん等と年内に2回ほどの打合せを私が
主催して行った。「林道(20万円/m、国)、林業専用道(3万円/m、市町村)は高くて作ってもらえず、自らで作業道(2-3千円/m)
を作るが、4Tトラックは使えずキャタピラ車となるので運搬コストが高い。このため鉄鋼スラグを使うことを考えJFEに施工してもら
ったが、失敗した。日鉄のカタマSP等に期待している」「カタマSPは高炉転炉スラグで水で固化し中性となる。通常20c厚み、施工指導する。
コンクリート、アスファルトに比べ強度は小さく4TトラックがOKかは?。」などの議論がなされ、年内に施工予定現場を見学すること
になった。
年末の12月28日の午前に私はkoさんの西湘フォレスト鰍フ現場見学をさせて貰い、28日午後にはAさん、Kaさん
にも参加願い、林道整備予定地を見学した。
午前にはKoさんの案内で林業現場を見学した。ここではコスト安の林業を阻む様々な制約がある事を学んだ。例として、
・神奈川は大型機械を許さず小型機制約がある(0.25重機仕様:バケットで0.25m3掴める仕様)。
・傾斜は35°以上あり表土が流され、下草もはえない。ここは切捨て間伐のみで再造林無理か?
・木は2mピッチにあれば2500本/ha、1mピッチにあれば 1万本/ha。
・グラップルにウィンチをつけて50m木寄せできる。上下から50+50=100mなら
グラップルで可能、100m以上ならタワーヤーダとする。
・作業道しかなく4tトラックが入れずキャタピラのフォワーダで運搬はコスト高。
トラック運搬でコストダウンするには林道が必要。
・伐採後の丸太選別・・・製材用は60%。バイオマスまたは集成材用が40%。
・皆伐後は植栽必要、まずは地拵え(細木束ね)と鹿柵作り。鹿は苗木が好物。
・補助金は≧100haに出る。野口観光のみでは60haなので西湘フォレストに経営委託。
午後には日鉄(株)のAさん(東日本製鉄所資源化推進部スラグ室)と日鉄スラグ製品(株)のKaさん(東日本事業所君津地区営業部)
の2人と西湘フォレスト(株)のSa社長も加わって、傾斜が少ない長さ4kmの作業道を現場見学した。関東ローム層に真鶴産のズリ
(小松石)を10cmいれたが砕石は直ぐなくなり今はばらばらになっていて、キャタピラ跡やわだちが残る。これをカタマSPで施工する
林道敷設テストは神奈川県に連絡し了承得て、1年以内に100m位実施し、県に見てもらう予定。 高性能タワーヤーダー、4tトラックが
使える安価林道の開発が成功すれば、日本の林業界に大きな飛躍をもたらすと期待されると思った。
 (神奈川)赤い作業道を歩く。タワーヤーダのロープ張り計画 |
 (神奈川)35度以上の急斜面、植栽無理。 |
 (神奈川)100m以上引き寄せはタワーヤーダが必要 |
 (神奈川)選木作業。60%が製材向け、残りはバイオマス用 |
 (神奈川)鹿柵製作中 |
 (神奈川)フォワーダが通った後はこうなる |
翌2023年になり、雪解けを待って6月9日に、東北のカタマ施工現場を見学することになったが、私は所用で行けなかったが、以下が報告を
受けた内容である。
東北森林管理局のSさんの案内で岩手県住田町の施工後7年となるカタマSP施工現場(林業専用道と言える)を見学した。砂利路盤等なく
地面に直接カタマSPを施工したが路床としての機能は保持していて、かなり綺麗な状態で供用されている。Koさんの見解は「耐久性は
想像以上で、鉄キャタのフォワーダを避けたり、大型車のハンドル切り返しに気をつけるなどすれば、ほとんど”メンテナンスフリー”と
も言える状況で使える」との判断。
更に『今後全国的に、素材生産は利用間伐から主伐再造林にシフトしていく中で、「200m/ha程度の高密度作業道+フォワーダ
の方式」から、「50m/ha程度のカタマ道+タワーヤーダ+4トントラック」に変えていくことを検討すべきではないか』との意見でした。
 カタマ施工後7年でも傷みがない |
 カタマ施工後7年 |
8月18日(金)に神奈川県開成町でカタマSPの試験施工(駐車場部 約200m2分)が実施されるとKaさんから連絡があり見学した。
既に駐車場の半分20m2は施工済みで、当日は残りの20m3にカタマSPで施工。10tトラック4台からのカタマSPを
均し作業→散水作業→均し勾配付け→転圧→散水転圧の作業であった。
 酒匂川右岸の山王供養水辺公園の地図 |
 駐車場40m2の半分は施工済、当日施工は残り半分の20m2 |
 10tトラックからのカタマを均し作業 |
 均し作業と水掛けの平行作業 |
 更に均して勾配付け |
 転圧作業 |
 散水しながら転圧作業 |
 工事完了 |
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