日本林業を立て直す 速水亨著 日本経済出版
速水亨(1953生)は速水林業社長、慶大法卒、現在 日本林業経営者協会会長他公職多数。
彼の林業に対する思い、西欧の林業を学び、何とか日本の林業を改善しようとの意気込みが
伝わってくる。
- 三重/尾鷲の林業を先祖から継ぎ、機械化、経営改善に努力している。
- 4章の生物の多様性には彼の豊かな経験を述べていて、下草は土砂流出を防ぐので大事
なこと、広葉樹は曲がり林業となり難い。どう商品化するか国の検討必要。
- 5章ヨーロッパの森、日本の森では、森の道を多く作ると土壌流出の恐れ。西欧は
氷河の土壌に対し日本の土は軟らかく、その恐れが強いので道路よりも架線集材を多く
すべき(国はドイツ並の路網を目指しているが、路網よりも架線系機械を増やすべき)
西欧には楽しめる森があり、日本も森に親しむ策を考えるべき。
- 6章林業の行くべき道・・・西欧は仕組みができている。独墺は長伐期100-120年であり、
区画伐する。基本は天然更新。イギリス、新大陸は短伐期40年伐採であり、短伐期の方
が収益性が良いので世界的傾向担っているのは心配だ。
- 日本の2009年のGDPは3874億円で、内きのこが≧50%であり、本業は少ない。雇用6万人。
森林組合は 生産性向上などの本格的な改革に手を付けず、補助金事業が主体が問題。
伐採増すると木材価ダウンが構造問題となっている。造林育成コストダウンが重要。
日本の環境林と経営林を分ける考えは正しくない。
- FSC森林認証制度は国際的に高い評価。速水林業は日本初のFSC認証取得。輸入材は違法多い。
|